“見えづらい難病” を楽曲・ドラマで可視化。過去施策比でリーチ数4倍、エンゲージメント件数30倍を達成した、アーティスト・ユーザー参加型制作プロジェクト

中外製薬株式会社

業種

医療用品

タグ

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TikTok for Business Japan Awards 2024 Creative Category
「Best TikTok Creator Collaboration」部門、「Best Innovation」部門の2部門ノミネート作品

CHALLENGE

見えづらい“難病”を可視化する

指定難病「NMOSD（視神経脊髄炎スペクトラム障害）*1」は日本国内で約6,500人（*2）と言われる希少疾患。他者からは症状が分かりづらく、症状も人それぞれであることから“見えづらい” 病気だと言われてきました。職場や学校、家庭などで他者とのコミュニケーションに困難さを感じる患者さんが多い状況です。

中外製薬様とワンメディアは、「NMOSD」を当事者の方以外にも知ってもらう機会を提供することを目指し、音楽アーティストの「yama」さんとともに、疾患啓発プロジェクトを発足しました。コンテンツを通して、“難病”の当事者/当事者以外の壁を超えて、共感と会話を生むことにチャレンジしました。

*1：視神経脊髄炎スペクトラム障害は、指定難病の視神経脊髄炎と同義です
*2：多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017 日本神経学会監修　Hor, JY, et al. Neurology and Clin. Neuroscience. 2021; 9(4): 274-281.　難病情報センターホームページ https://www.nanbyou.or.jp/ （2022年8月現在）から引用

SOLUTION

音楽とストーリーで、共感しやすい土壌をつくる

“覆面アーティスト” として活躍する「yama」さんにプロジェクトに参画していただき、誰もに共通する悩みである「コミュニケーションにおける葛藤」をテーマにした楽曲『パレットは透明』を描き下ろしていただきました。

■「yama」さんとのコラボレーション

「yama」さんには単なる楽曲タイアップに留まらず、プロジェクトの共同発足人という役割を担っていただき、LIVE中でのファンへの呼びかけや、SNSで募集したユーザーや患者さんの声を反映したクリエイティブ作り、制作過程の発信、ミュージックビデオ出演、事後インタビューなど、プロセス全体を通してコミットメントしていただきました。これによりプロジェクトの背景に気づくファンが徐々に増え、発信するコンテンツに対して共感のコメントや、「NMOSD」患者さんからの感謝のコメントが集まっていきました。

さらにミュージックビデオでは、yamaさん本人が登場し、“孤独や葛藤” に悩む人たちと同じ構図の中でyamaさん自身も悩みを抱えながら歌唱する描写を中心に据え、MVストーリーのなかでテーマを伝えています。

■TikTokショート動画クリエイターとのコラボレーション

またTikTokで51億回されている人気ジャンル #ショートドラマフォーマットと組み合わせ、「yama」さんの楽曲を音源としてショートドラマを10本制作。患者さんのパーソナルなエピソードを共感しやすいかたちで発信しました。

患者さんの“難病”を描くのではなく、視聴者との共通項である「コミュニケーションにおける葛藤」を中心に描くことで、「素敵な家族だと思いました」「こんな関係性に憧れます」などの前向きな発話が発生。“コミュニケーションを乗り越える存在” として患者さんを描くことに成功しました。

RESULT

“難病”を軸にした会話を生むことに成功

アーティストとクリエイターからの発信により、施策の総再生数は2,433万回再生を突破。楽曲MVや制作プロセス投稿、ショートドラマと解説コンテンツ、ドラマ原作の小説など、あらゆる切り口で“難病”を可視化して伝え、過去施策と比べてリーチ数は4倍、エンゲージメント（いいね・コメント・シェア）は30倍となる45万件に至りました。

音楽とドラマという共感しやすいコンテンツを掛け合わせたことにより、“難病”というトピックについての会話を生み出すことができました。「私もこの病気です。励まされた」「友人が10年前にこの病気で診断されて…」等、視聴者がコメント欄で【自身のエピソードを次々とシェアしていく現象】が生まれ、視聴者同士のコメント返信による会話も見られました。「NMOSD」の理解促進につながっただけではなく、当事者/当事者以外の壁を超えたコミュニケーションが実現できたと考えています。

＜施策の結果＞